朝を急がないための音楽。

朝のための音楽。まだ一日が始まりきっていない時間に、そっと一曲を置く。

朝は、いつも同じようで少しずつ違います。

よく眠れた朝。まだ眠気が残る朝。雨の朝。仕事へ向かう朝。何も予定のない休日の朝。

そんな時間に音楽を流すと、朝そのものが大きく変わるわけではないのに、部屋の空気がほんの少し違って感じられることがあります。

急いで元気にならなくてもいい。

一日をうまく始めようとしなくてもいい。

まず一曲。まだ静かな朝と同じ場所に、音楽を置いてみる。

僕にとってモーニングミュージックは、そんな音楽です。

この記事の道しるべ

朝の音楽って、なんだろう

2019年に最初の記事を書いたとき、僕は「少し余裕を持って、コーヒー片手にアコースティックなサウンドを」と書いていました。

今読み返しても、その景色は好きです。

でも、朝はいつも爽やかとは限りません。

起きるのがつらい日もあれば、仕事のことが頭に浮かぶ日もある。雨の日も、何となく気持ちが重い日もあります。

だから今は、「朝に聴けば気分が良くなる音楽」を決めるより、その朝の自分にちょうどいい距離で鳴ってくれる音楽を選びたいと思っています。

音楽が一日を変えてくれなくてもいい。

朝の最初の数分を、自分の時間に戻してくれたら、それで十分なのかもしれません。

朝に置いてみたい5枚

Kate Walsh|Tim’s House

アコースティックギターと、近くで歌っているような柔らかな声。

旧記事でも最初に紹介していた一枚です。朝の静けさを壊さず、その中へ自然に入ってくる感じがあります。

おすすめしたい曲は「Your Song」。カーテンを開ける前の、まだ少し薄暗い部屋にも似合います。

William Fitzsimmons|Lions

少し眠気の残る朝には、無理に明るい音楽を選ばなくてもいい。

William Fitzsimmonsの繊細な声とアコースティックな響きは、まどろみを急いで追い出さず、そのまま朝へ連れていってくれます。

「Blood / Chest」のような静かな曲を、小さな音で。

Kings of Convenience|Declaration of Dependence

二人の声とアコースティックギターの間に、たっぷり空気がある。

天気のいい朝なら、旧記事に書いたように散歩しながら聴くのもいいと思います。

「24-25」。歩く速度まで少しゆっくりになるような一曲です。

Beck|Morning Phase

タイトルのとおり、朝という時間を連想せずにはいられない一枚。

アコースティックな響きとストリングスが重なり、光が少しずつ部屋へ入ってくるように音楽が広がっていきます。

「Morning」や「Blue Moon」を流しながら、コーヒーを淹れる。そんな何でもない朝がよく似合います。

Rumer|Seasons of My Soul

少し懐かしいポップスの温度と、柔らかな歌声。

静かなだけではなく、朝にほんの少し軽さがほしい日に置きたい一枚です。

「Am I Forgiven?」を聴くと、今日を始めてみようかな、くらいの小さな前向きさが残ります。

いろいろな朝に

休日の朝なら、コーヒーを淹れながら。

仕事の日なら、着替えながら。

雨の日なら、窓の外の音と一緒に。

少し早く目が覚めたなら、何もせず一曲だけ。

朝の音楽に、決まった聴き方はありません。

「こういう朝にしなければ」と思わず、その日の自分に合う音量と距離で鳴らしてみる。

音楽が主役ではなく、朝の時間と一緒にそこにいるくらいが、ちょうどいい気がします。

2019年の朝から、今の朝へ

昔の記事の最後に、僕はこう書いていました。

「今日も一日、素敵な日になりますように!」

今も、その気持ちは変わりません。

ただ、毎日が「素敵な一日」でなくてもいいとも思うようになりました。

うまくいかない日もあるし、疲れて帰ってくる日もある。

それでも朝の数分だけ、自分のための時間があった。

好きな音楽を一曲聴けた。

そんな小さなことが、一日のどこかに残ってくれたらいい。

2019年に書いた「少し余裕を持って」という言葉は、今のrelakatsuでいう「余白」に、どこかつながっていたのかもしれません。

まだ始まりきっていない時間に

朝は、一日の中でも少し不思議な時間です。

昨日はもう終わっているけれど、今日はまだ始まりきっていない。

その短いあいだに、好きな音楽をひとつ置いてみる。

コーヒーでも、水でもいい。

窓を開けても、開けなくてもいい。

今日を急いで始める前に、まず一曲。

その数分が、自分の時間に戻る小さな余白になればいいなと思います。

Written by nao

音楽の響きや、暮らしの中の小さな余白を、relakatsuで綴っています。自分が見つけた一曲を、今日の誰かへ。